50代から新NISAを始めて老後資金を増やそう!毎月の積立額とおすすめ投資先

この記事で解決できるお悩み
  • 50代からでも新NISAを始めるべきか悩んでいる
  • つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを活用すべきかわからない
  • 毎月どのくらい積立するのか、何に投資すべきかわからない

2024年のスタートから注目を集めている新NISAだが、なかには「50代から始めるべきなのだろうか」と悩んでいる方もいるだろう。

また、50代で新NISAを始める際にどのように活用すべきか迷っている方もいるのではないだろうか。

本記事では、50代の新NISAの利用状況や50代から運用を始めるメリット、新NISAを始めるときに知っておきたい注意点などを解説していく。

つみたて投資枠・成長投資枠のおすすめ銘柄や選ぶ際のポイント、運用シミュレーションなども紹介するので、ぜひ本記事を参考にして新NISAを有効活用しよう。

証券アナリスト 平行秀

50代からの資産運用は決して遅くありません。退職後の生活を見据えて、今から計画的に準備を始めることが安心につながります。
ただし、運用期間が限られる分リスクを抑えた堅実な投資が大切です。

目次

50代からでも遅くない!新NISAを始めるべき理由

50代の方のなかには「今から新NISAを始めても遅いのではないか」と考えている方も多いだろう。

しかし50代であっても新NISAを始めるのに遅いということはないため、利用すべきか迷っている方はぜひ始めてみてほしい。

ここでは、50代の新NISA利用状況や50代から新NISAで運用を始めるメリットについて解説していく。

50代の新NISA利用状況

株式会社ロイヤリティ マーケティングの「新NISAの利用状況に関する調査」(実施期間:2024年12月6日〜12月9日)によると、50代の新NISAの利用状況は以下の表の結果であった。

利用状況割合
すでに利用している20.5%
2025年から利用を開始したい3.5%
検討しているがまだ決めていない26.0%
利用する予定はない50.0%
出典:「Pontaリサーチ」調べ

回答した50代の5人に1人が新NISAを利用しており、利用を検討している人も含めると約半数が新NISAに関心を抱いていることが分かる。

しかし一方で利用する予定がないと回答している人も少なくない。

50代は老後資金を準備するためにも資産形成が必要な時期である。同年代の利用状況を参考にし、自分が新NISAを活用すべきかどうかを検討しよう。

証券アナリスト 平行秀

50代で新NISAを始める方は年々増えています。
老後資金の準備を意識するこの年代にこそ、非課税制度を活用した資産運用は有効。自分に合ったタイミングで一歩を踏み出しましょう。

50代から新NISAで運用を始めるメリット

50代から新NISAを利用するメリットとして以下のような点が挙げられる。

50代から新NISAで運用を始めるメリット
  • 投資に資金を回しやすい時期である
  • 運用目標を立てやすい
  • 十分に非課税期間を活用できる

子どもがいる世帯の場合、50代になると子どもが独立するケースも多い。教育資金などの出費が落ち着き、支出のピークは過ぎている。

今までよりも出費が減ることで投資に資金を回しやすい点が50代から運用を始めるメリットだ。

また、50代は退職までの期間が比較的短いため、運用目標を立てやすいという利点もある。

20代〜30代の場合は老後を迎えるまでの期間が長く、ゴールが遠いため目標をイメージしにくい。

しかし50代は退職の時期が近く、ゴールもイメージしやすいことから運用目標を立てやすいというメリットがある。

そして「人生100年時代」と考えれば50代はまだ折り返しの年代であり、まだまだ新NISAを活用する期間がある。

新NISAは非課税期間が無期限化されており、年齢の制限も定められていないため、非課税のメリットは十分に受けられると言えるだろう。

上記のようなメリットを踏まえると、50代から新NISAを始めても遅くはない。利用を迷っているのであれば、今すぐに新NISAの活用をスタートしよう。

証券アナリスト 平行秀

「もう遅いかも」と感じる方もいますが、50代はむしろライフプランが明確になりやすく、計画的な運用に取り組みやすい年代です。
無理のない範囲で始めることで、将来への備えが確実になります。

50代は新NISAの「つみたて投資枠」から始めよう

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの非課税投資枠があるが、これから始めるのであれば「つみたて投資枠」がおすすめだ。

ここでは、つみたて投資枠の基本的な概要やメリットについて解説していく。

つみたて投資枠の基本概要

つみたて投資枠は、投資信託の積立投資を対象に設けられている非課税投資枠だ。2023年まで運用されていた旧NISA制度の「つみたてNISA」を引き継ぐ形で制定されている。

新NISA制度では株式や投資信託の購入が可能だが、つみたて投資枠では株式を購入できない。

金融庁が定める一定の基準を満たし、届出が行われた投資信託しか購入できないことが特徴だ。

つみたて投資枠は年間120万円(月10万円)までの積立が可能であり、生涯で1,800万円まで非課税で投資できる。

旧制度のつみたてNISAでは年間40万円、生涯で800万円までしか投資できなかったことを考えると、大幅に投資枠が拡充されている。

また、新NISAでは非課税保有期間は無期限となっており、もうひとつの枠である「成長投資枠」との併用も可能だ。

こちらも旧制度では非課税期間が20年と定められていたため、より使いやすい制度へと変化している。

証券アナリスト 平行秀

非課税期間が無期限化されたことで、50代からでも時間を味方につけた運用が可能です。自分のペースで投資を進められるため、資産形成の選択肢が広がり、老後資金の準備にも柔軟に対応できるのが魅力です。

つみたて投資枠の特徴・メリット

つみたて投資枠を利用するメリットとして以下の2点が挙げられる。

  • 厳選された銘柄から投資先を選べる
  • 運用に手間や時間がかからない

前述の通り、つみたて投資枠は金融庁が定める一定の基準を満たし、届出が行われた投資信託しか購入できない。

比較的低リスク・低コストで運用できる商品が厳選されており、初心者にとっては運用しやすい銘柄から選べる。

これまで投資経験が少ない人にとって、厳選された銘柄から投資先を選定できる点は大きなメリットと言えるだろう。

また、つみたて投資枠は一度積立設定をしてしまえば、あとは入金や買い付けなどが自動で行われる。

買い付けるタイミングを見極めたり、購入手続きなどをしたりといった手間や時間をかけずに自動で運用を行える。

これまで投資経験が少ない方でも簡単に運用を行える点もつみたて投資枠のメリットだ。

50代から新NISAを始めるのであれば、まずは投資初心者でも運用しやすいつみたて投資枠から始めるべきだろう。

証券アナリスト 平行秀

つみたて投資枠なら、一度設定するだけで自動的に積立が進むので、忙しい方にもぴったりです。手間なく続けられる点も大きな安心材料です。

50代必見!新NISAつみたて投資枠のおすすめ銘柄とは

これから新NISAで運用を始めるのであれば「どの銘柄を選ぶか」という点も非常に重要となる。

銘柄を選ぶ際のポイントを押さえた上で、自分に合った銘柄で資産運用を始めることが大切だ。

ここでは、新NISAで銘柄を選ぶときのポイントやおすすめの商品について解説していく。

新NISAで銘柄を選ぶときのポイント

新NISAで銘柄を選ぶ際には、以下の2つのポイントに注目しよう。

  • リスク・リターンのバランス
  • 運用にかかる手数料

まず、銘柄のリスク・リターンのバランスをチェックしておきたい。

金融商品はリスクが大きくなるほど期待リターンも大きくなる反面、大きな損失を抱える危険性も伴う。

自分自身のリスク許容度を踏まえ、最適なリスク・リターンの商品を見極めよう。

一般的に50代はある程度リスクを抑えた運用が推奨され、堅実にリターンを狙える商品がおすすめだ。

投資対象が広く分散された商品や債券が組み込まれた商品などを選び、リスク・リターンが安定している銘柄に投資すると良いだろう。

また、運用にかかる手数料についてもチェックしておこう。特に投資信託は購入時の手数料だけでなく、保有期間中にかかり続ける「信託報酬」もある。

ランニングコストを抑えるためにも、なるべく信託報酬が安い銘柄を選ぶことが大切だ。

似たような投資対象で運用される商品であっても、銘柄によって信託報酬には差が生じる。銘柄ごとの信託報酬を比較し、できるだけ低コストで運用できる商品を選定しよう。

証券アナリスト 平行秀

50代からの運用は少しでもコストを抑えることが長期的な成果に繋がります。特に長期保有を前提とする場合は、将来の資産に大きく影響する信託報酬欠かさずチェックしましょう。

新NISAつみたて投資枠のおすすめ商品

次に、50代におすすめの銘柄を紹介する。先ほど解説した通り、50代はつみたて投資枠での運用がおすすめであるため、ここではつみたて投資枠の対象銘柄を紹介していく。

50代におすすめのつみたて投資枠銘柄は以下の3つだ。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

それぞれの銘柄について特徴を解説していくので、ぜひ参考にして自分に合った商品を見つけ出そう。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数との連動を目指して運用されるインデックスファンドだ。

約500銘柄に分散投資できるため、比較的安定したリターンを期待できる。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基本的な特徴は以下の表の通りだ。

投資対象海外株式
信託報酬年率0.08140%(税込)
純資産総額61,609.87億円
騰落率1年:+0.75%
5年:+209.46%
※2025年4月4日時点

S&P500は米国市場の大企業が中心に構成されている指数であり、今後も世界の経済をリードすることが期待される企業に投資できることが特徴だ。

信託報酬も極めて低い水準となっているため、長期間の運用でもコストの負担を抑えられる。

「米国企業の成長性に期待したい」「低コストな銘柄で長期運用したい」という方は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)への投資がおすすめだ。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国および新興国の株式に分散投資を行うインデックスファンドだ。

世界各国の銘柄に分散投資できるため、比較的リスクを抑えてリターンを狙えることが特徴の商品である。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本的な特徴は以下の表の通りだ。

スクロールできます
投資対象国内外株式
信託報酬年率0.05775%(税込)
純資産総額51,945.58億円
騰落率1年:+1.16%
5年:+175.21%
※2025年4月4日時点

先進国の安定した経済成長と新興国の将来性を両立でき、中長期的に大きなリターンを見込める銘柄である。

信託報酬も年率0.05775%と非常に低い水準となっているため、長期運用でもコストが負担になりにくいことがメリットだ。

「世界経済の成長の恩恵を受けたい」「長期投資におけるランニングコストを抑えたい」という方は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への投資をおすすめする。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、国内外の複数の資産にバランス良く投資を行うインデックス型の投資信託だ。

国内と先進国の株式・債券・REITに加え、新興国の株式・債券を組み入れて均等に投資している商品である。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の基本的な特徴は以下の表の通りだ。

投資対象国内外資産複合
信託報酬年率0.143%(税込)
純資産総額3,196.16億円
騰落率1年:+0.63%
5年:+72.47%
※2025年4月4日時点

一般的に株式や債券、REITはそれぞれ異なる値動きの特徴があるため、仮に株式が下落していても債券やREITでカバーできる可能性がある。

投資対象地域も分散されており、特定の地域の政治・経済に影響を受けにくいことも魅力だ。投資対象がバランス良く分散されているため、安定したリターンを期待できるだろう。

「さまざまな資産クラス・地域に分散させたい」「中長期的に安定したリターンを目指したい」という方は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)への投資がおすすめだ。

証券アナリスト 平行秀

投資経験が少ない50代の方には、値動きが安定しやすい分散型のファンドが心強い味方になります。
一つの資産に偏らず安心して続けられる運用が老後の備えに繋がります。

【シミュレーション】50代が新NISAで毎月10万円を積立したら?

次に、新NISAを利用して毎月積立投資を継続する場合のシミュレーションを紹介する。

事前に運用シミュレーションをしっかりと行い、どの程度の利益を期待できるのかを明確にした上で運用計画を立てよう。

運用シミュレーション

ここでは年利3%で20年間運用すると仮定し、毎月5万円・8万円・10万円を投資する場合のシミュレーションを紹介する。シミュレーションの結果は以下の表の通りだ。

毎月の積立額積立総額元利合計
5万円12,000,000円16,383,028円
8万円19,200,000円26,212,844円
10万円24,000,000円32,766,056円

年利3%は比較的リスクを抑えた運用でも実現の可能性が高い利回りの水準であり、上記のシミュレーション結果は十分に可能性がある。

毎月10万円の積立投資を20年間続けると3,000万円を超える試算となり、時間を味方に付けることで十分に資産を増やせる。

証券アナリスト 平行秀

50代でも20年という時間を活かせば、安定的な資産形成は十分に可能。今の生活に支障が出ない金額から積み立てを始め、コツコツ続けることが成功への何よりもの近道です。

なお、より大きなリスク水準で運用を行えば上記の結果よりも大きな利益を得られる可能性もあるが、その分だけ損失の危険性も高まってしまう。

年利3%の低リスクな運用でも十分なリターンを得られるため、50代の方は無理にハイリスクな手法に手を出す必要はないだろう。

少額からでも運用する重要性

資産運用・投資に対して「まとまった金額が必要」というイメージを抱いている方も多いだろう。

しかし少額からでも十分に効果を得られるため、まとまった金額がない方も安心して資産運用を始めて良い。

少額から運用を行うメリットとして以下の2点が挙げられる。

  • 投資経験を積める
  • 複利効果を活かせる

少額から投資を始めることで投資・資産運用に関する知識が身に付いたり、経験を得られたりといったメリットがある。

投資に関して基本的な知識や経験がないまま大金を投資に回してしまうと、失敗したときに大きなダメージを負う可能性が高い。

少額で投資に慣れていき、知識や経験を身に付けながら運用額を徐々に増やしていくと良いだろう。

また、複利効果を活かせるという利点もある。複利効果とは、投資で得た利益を再び投資に回すことで利益が新たな利益を生み出す効果のことだ。

雪だるま式に資産が増えていき、運用期間が長くなるほどリターンも大きくなるため、少額からでも資産運用を始めることが重要である。

先ほどのシミュレーションからも分かる通り、毎月の積立額が5万円で低リスクな運用方法であっても十分に資産を増やせる。

いきなりまとまった金額を投資する必要はないので、少額からの投資でじっくり資産を増やしていこう。

証券アナリスト 平行秀

資産運用は少額からでも十分に始められます。月1,000円からでも投資経験を積めるため、まずは一歩踏み出すことが大切です。大きな金額よりも、継続する習慣の方が長期的には大きな成果につながります。

50代は新NISA「成長投資枠」の併用もおすすめ!

新NISAはつみたて投資枠から始めるべきと解説したが、資金面で余裕がある50代の方は「成長投資枠」の併用も検討すると良い。

ここでは成長投資枠の特徴や活用法について解説していく。

成長投資枠の特徴・メリット

成長投資枠は、株式や投資信託の運用益が非課税となる投資枠だ。2023年までの旧NISA制度における「一般NISA」を引き継ぐ形で設けられている。

成長投資枠の特徴・メリットとして以下の3つのポイントが挙げられる。

  • 年間240万円まで投資できる
  • 上場株式やETF、REITに投資できる
  • 積立・スポット購入の両方に対応している

成長投資枠は年間240万円の枠が設けられており、生涯で1,200万円まで投資できる。

つみたて投資枠との併用も可能であり、2つの枠を合わせて1,800万円まで利用可能だ。非課税期間も無期限となっており、非課税の恩恵を受けやすい点が魅力である。

また、成長投資枠は投資信託に加え、上場株式やETF、REITにも投資できる。

基準を満たした投資信託しか買えないつみたて投資枠とは違い、幅広い商品を購入できる点がメリットだ。

そして、成長投資枠では積立投資だけでなく、購入タイミングを自由に選べるスポット購入にも対応している。

積立設定をして毎月自動で買い付けたり、価格変動を狙ってスポット購入をしたりと柔軟に取引できることが特徴だ。

自由に運用できる分、初心者にとっては難しい部分も多い。つみたて投資枠で運用に慣れてきて資金面でも余裕がある場合は、成長投資枠も併用すると良いだろう。

証券アナリスト 平行秀

50代は運用期間に限りがある分、目的に応じて投資枠を使い分けることが重要です。投資経験を活かし、より戦略的な資産形成にチャレンジしたい方には成長投資枠がおすすめ。将来の収支バランスを見据えて活用しましょう。

成長投資枠の活用方法

成長投資枠を活用する方法として主に以下の3つが挙げられる。

  • つみたて投資枠と同じ商品に積立投資
  • つみたて投資枠にないアクティブファンドに投資
  • 株式に投資

それぞれの活用法について解説するので、ぜひ参考にして成長投資枠を有効活用しよう。

つみたて投資枠と同じ商品に積立投資

1つ目は、つみたて投資枠と同じ商品に積立投資を行うという方法だ。すでに活用しているつみたて投資枠に上乗せする形で成長投資枠を利用すると良いだろう。

前述の通り、つみたて投資枠の対象商品は金融庁の基準を満たした銘柄となっており、初心者でも利用しやすい優良銘柄が多い。

すでに運用している商品に不満がないのであれば、無理に違う銘柄を選ぶ必要はないだろう。

つみたて投資枠だけを利用する場合は年間120万円(毎月10万円)の積立が上限となるが、成長投資枠も併用すると最大で年間360万円(毎月30万円)まで積み立てられる。

設定さえしておけば自動で買い付けられるため、運用の手間もかからない。

「つみたて投資枠の銘柄にもっと資金を投じたい」「銘柄の選定や運用に手間をかけたくない」という方は、2つの枠で同じ銘柄に積立投資をしていくと良いだろう。

つみたて投資枠にないアクティブファンドに投資

2つ目は、つみたて投資枠にはないアクティブファンドに投資するという方法だ。

アクティブファンドとは、指数(日経平均株価やS&P500など)を上回るリターンを目指して運用される投資信託のことを指す。

アクティブファンドは運用のプロが銘柄を厳選し、ハイリターンを目指して運用している。

比較的少ない銘柄で運用される分、期待リターンも大きいが大きな損失を抱える危険性もある商品だ。

つみたて投資枠では安定的なリターンを実現させつつ、成長投資枠はアクティブファンドでハイリスク・ハイリターンな運用を行うという戦略を検討してみると良いだろう。

成長投資枠でおすすめのアクティブファンドは以下の表の通りだ。

スクロールできます
銘柄特徴
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信米国の持続的な成長企業を徹底的なリサーチにより発掘し、厳選して投資を行う。
netWIN GSテクノロジー株式ファンドテクノロジーの発展の恩恵により、継続的な収益拡大が期待できる米国企業の株式などに投資を行う。
フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド幅広い国・地域や業種から有望な成長銘柄を発掘し、中長期の成長性に対して割安な銘柄に投資を行う。

いずれも実績のある運用会社が提供しているファンドであり、リスクが大きい分だけ高いリターンも期待できる。

ファンドの方針や過去の運用実績などを比較し、自分に合った銘柄を選定することが重要だ。

「つみたて投資枠にはない銘柄に興味がある」「リスクを取ってリターンを狙いたい」という方は、成長投資枠でアクティブファンドへの投資を検討してみると良いだろう。

証券アナリスト 平行秀

アクティブファンドはリターンの可能性が高い分、リスクとの向き合い方が大切です。少額から始める・分散して投資するなど、自分のリスク許容度に合った運用を意識しましょう。
焦らず継続する姿勢も成功へのポイントです。

株式に投資

3つ目は、個別の株式に投資するという方法だ。つみたて投資枠では購入できない個別株式に投資を行い、大きなリターンを狙うという戦略で運用すると良いだろう。

例えば時価総額が数百億円ほどの成長企業に投資し、中長期的な株価の上昇を狙うという方法がある。

リスクは大きいが、上手くいけば数年で株価が数倍になる可能性もあり、大きなリターンを期待できる。

また、業績が安定している企業に投資して非課税で配当金を受け取り続けるという戦略もおすすめだ。

成長投資枠で人気の株式を以下の表にまとめた。

銘柄特徴
日本電信電話(9432)日本最大の通信事業会社。
日本たばこ産業(2914)たばこや医薬品、加工食品などの事業を展開。
三菱商事(8058)三菱グループの総合商社。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)銀行、信託、証券、カード、消費者金融などの幅広い金融サービスを提供する総合金融グループ。
トヨタ自動車(7203)日本最大手の自動車メーカー。

成長投資枠では日本を代表する大手企業が人気を集めている。

業績の安定性が高く、中長期にわたって安定した配当金・値上がり益を期待できる銘柄に資金が集まっているようだ。

「リスクを取って大きなリターンを得たい」「配当金を非課税で受け取りたい」という方は、成長投資枠で個別株への投資を検討してみると良いだろう。

50代が新NISAを始める時に知っておきたい注意点

これから新NISAを始める方は以下の4つの注意点を押さえておこう。

  • 新NISAは損益通算・繰越控除ができない
  • 余剰資金の範囲内で投資を行う
  • 過度なリスクテイクを避ける
  • 長期目線で運用計画を立てる

それぞれ解説していくので、ぜひ参考にして新NISAでの運用を始めよう。

新NISAは損益通算・繰越控除ができない

新NISAでは損益通算・繰越控除ができないため注意が必要だ。

損益通算は同じ年に発生した利益と損失を相殺させる仕組み、繰越控除は損益通算をしても損失が残る場合に最大3年間にわたって損失を繰り越して利益から控除できる仕組みである。

例えばA口座で30万円の利益が発生し、B口座で50万円の損失が発生した場合、損益通算をすると「30万−50万円=−20万円」となる。

2つの口座を合わせると利益が発生していないことになるため当年の税金は0円となり、残った−20万円は翌年以降に繰り越して控除可能だ。

しかしNISA口座では損益通算・繰越控除ができない。NISA口座内で損失が発生しても、ほかの口座の利益から控除できない点をデメリットとして理解しておこう。

余剰資金の範囲内で投資を行う

新NISAに限らず、資産運用を始める際には余剰資金の範囲内で行うことが鉄則だ。

生活費や緊急用の資金には手をつけず、減っても問題ない余剰資金を投資に回すように心掛けよう。

株式や投資信託などの金融商品は預貯金とは違い、元本が保証されていない。

生活費や緊急用の資金を投資に回してしまうと、短期的な価格変動で元本割れとなったときに生活に支障をきたしてしまう。

一般的に資産運用を始める際は「生活費の3ヶ月〜半年分程度」を預貯金で確保すべきと言われている。

当面の生活費・緊急用資金は安全性が高い預貯金で確保し、残りの余剰資金を新NISAで運用しよう。

証券アナリスト 平行秀

50代は教育費や住宅ローンなどの支出が一段落しやすい時期です。
だからこそ、生活に支障をきたさない余剰資金と将来の収支を見据え、無理なく続けられる運用を始めることが重要です。

過度なリスクテイクを避ける

資産運用においてはリスク管理が重要となる。過度なリスクを取って運用してしまうと、失敗したときに大きなダメージを負うことになるため注意が必要だ。

資産運用に慣れてくると「もっとリターンが欲しい」と考えてしまい、ハイリスクな手法に手を出すパターンが多い。

もちろんリスクが大きくなるほど期待リターンは大きくなるが、一方で短期的に大きな損失を抱える危険性も伴う。

個別株などの場合は数日で数十%ほど株価が下落する可能性もある。

50代は退職までの期間が比較的短いため、資産を大きく減らすようなことは避けたい。

過度にリスクを取らないように心掛け、身の丈に合ったリスク水準の投資先で運用を行おう。

長期目線で運用計画を立てる

資産運用を始める際は目先の利益を追求するのではなく、長期的な目線を持っておくことが大切だ。数年〜数十年といった単位で運用計画を立て、じっくりと投資を続けていこう。

短期的な利益ばかりに気を取られていると、相場が暴落したときにパニックになって売却するケースが多い。

しかし暴落時は安値で買えるチャンスでもあり、追加で投資をすると相場が回復したときに大きなリターンを得られる可能性もある。

目先の利益に囚われていると大きなリターンを逃してしまうリスクがあるため、長期目線を持って計画的に運用しよう。

また、一度立てた計画は定期的に見直す必要がある。1年以上運用を続けた上で目標を達成できそうにないと判断した場合は違う商品への乗り換えも検討してみると良いだろう。

長期目線を持って運用計画を立て、定期的に計画を見直しながら資産を運用していこう。

証券アナリスト 平行秀

長期投資の成功には“計画と見直し”の両方が不可欠です。ライフステージや収支の変化に応じて柔軟に戦略を調整しながら、焦らずコツコツと積み重ねる姿勢が大切です。小さな積み重ねが将来の安心につながります。

50代からでも新NISAは始めるべき!悩みは専門家に相談しよう

ここまで50代から始める新NISAについて解説してきたが「新NISAを始めるか悩んでいる」「どのように運用すれば良いか分からない」と悩んでいる方も多いだろう。

新NISAについての悩みは資産運用の専門家に相談することをおすすめする。

ここでは、運用の専門家に相談すべき理由や相談先を探せるサービス「資産運用ナビ」について解説していく。

資産運用の専門家に相談すべき理由

資産運用の専門家は豊富な経験と知識をもとに、あなたにとって最適なアドバイスを提供してくれる。

自分に合った運用戦略で効率良く資産運用を始められる点が、資産運用の専門家に相談すべき理由として挙げられる。

自分で投資を行う場合、景気や政治の動向をチェックしたり、業績やチャートを分析したりしなければならない。

常に情報を収集・分析しながら投資判断を下す必要があり、本業で忙しい方にはかなりの負担になるだろう。

資産運用の専門家に相談することで、売買のタイミングや購入すべき銘柄などの適切な助言を得られるため、投資判断に手間や時間がかからない。

また、あなたの資産状況や運用目標、リスク許容度に合わせて運用プランを設計してくれるため、最適化された運用戦略で効率良く資産を運用できる。

自分に合った運用戦略で手間をかけずに新NISAを活用するためにも、資産運用の専門家への相談を検討してみよう。

資産運用ナビを活用しよう

資産運用の専門家をお探しの方は「資産運用ナビ」の活用を推奨する。資産運用ナビは、あなたにぴったりの資産運用アドバイザーを無料で紹介するサービスだ。

資産運用ナビでは、希望条件を入力するだけであなたのニーズにマッチした資産運用アドバイザーが自動で診断される。

紹介された中に気になるアドバイザーがいれば、そのまま無料面談の申し込みが可能だ。

紹介するアドバイザーは特定の金融機関に属していないため、企業の利益ではなくお客様本意のアドバイスで資産運用をサポートする。

何回でも相談可能となっており、提案内容に納得が行くまでじっくりと相談できる点も魅力だ。

「50代から新NISAを始めてみたい」「資産運用の相談先を探している」という方は、ぜひこの機会に資産運用ナビを利用してみてはいかがだろうか。

50代からでも新NISAを活用しよう

50代は投資に資金を回しやすい時期であり、非課税期間も十分に活用できる。

50代から新NISAを始めても遅くはないため、まずは投資初心者でも利用しやすいつみたて投資枠から始めてみると良い。

資産運用は少額からであっても投資経験を積めたり、複利効果を活かせたりと利点が多いため、無理のない金額から始めてみることをおすすめする。

運用に慣れてきて資金面でも余裕がある場合は、比較的柔軟に運用できる成長投資枠も併用するのも方法のひとつだ。

証券アナリスト 平行秀

50代はライフプランが明確になりやすく、運用の目的や目標を定めやすい年代です。無理なく始めること、継続することが資産形成の鍵になります。焦らず、自分のペースで取り組む姿勢が大切です。

また、新NISAについて悩みや不安な点がある場合は資産運用の専門家への相談がおすすめだ。

あなたに最適な運用戦略を提案してくれるため、効率良く資産運用を始められる。

「資産運用ナビ」では、あなたにぴったりの資産運用アドバイザーを無料で紹介するサービスを提供している。

ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を活用し、信頼できる相談先に新NISAの悩みや不安を相談してみてはいかがだろうか。

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この記事を書いた人

NISAナビ」は、新旧NISA制度を”迷わず賢く活用する”ための実践的な情報を提供する金融メディアです。金融機関出身のメンバーを中心に、新NISAの具体的な活用方法や相談先の選び方を、中立的な立場から分かりやすく解説しています。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、NISAの相談に強い資産運用アドバイザーと投資家をマッチングし、自立した資産形成を支えています。

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