- 新NISAを始めるべきか迷っている
- 新NISAで毎月いくら積立すればいいかわからない
- 成長投資枠とつみたて投資枠、どちらを使うべきか悩んでいる
新NISAはさまざまなメディアで取り上げられて注目を集めたため、興味を抱いている方も多いだろう。
「30代から新NISAを始めるべきだろうか」「どのように新NISAで運用すべきなのだろうか」と悩んでいる方は、新NISAに対して理解を深めることが大切だ。
本記事では、30代から新NISAを始めるべき理由や銘柄選びのポイント、運用シミュレーションを解説していく。
新NISAを始める前に知っておきたい注意点や専門家への相談についても解説するので、ぜひ本記事を参考にして新NISAを効果的に活用しよう。
30代からでも遅くない!今すぐ新NISAを始めるべき理由

「30代から新NISAを始めるべきなのだろうか」と悩んでいる方も多いだろう。新NISAの活用は30代からでも遅くなく、むしろ早く始めてメリットを最大限に活かすことが大切だ。
ここでは、30代の新NISAの利用状況や30代で運用を始めるメリットについて解説していく。
30代の新NISA利用状況
株式会社ロイヤリティ マーケティングの「新NISAの利用状況に関する調査(実施期間:2024年12月6日〜12月9日)」によると、30代における新NISAの利用状況は以下のような結果となった。
利用状況 | 割合 |
---|---|
すでに利用している | 32.0% |
2025年から利用したい | 5.0% |
検討しているがまだ決めていない | 20.5% |
利用する予定はない | 42.5% |
本調査では20代〜60代が回答しているが、すでに利用していると回答した割合は30代がもっとも多かった。
利用を検討している方の割合も高く、新NISAに対して興味を抱いている方が比較的多い世代と言えるだろう。
一方でおよそ4割の回答者が「利用する予定はない」と回答している。同年代の新NISA利用状況や今後の予定を参考にし、自分自身が利用すべきかどうかを判断しよう。
30代から新NISAで運用を始めるメリット
30代から新NISAを活用し、運用を始めるメリットとして主に以下の3点が挙げられる。
- 長期目線で運用を考えられる
- 少額の積立でも大きな資産になる
- 非課税の効果を長期間受けられる
30代であれば十分な長さの運用期間を設定でき、長期目線を持って運用計画を立てられる。
運用期間が長くなるほど短期的な相場変動の影響は小さくなり、運用リスクも抑えられる。長期運用により無理なく資産を運用できる点が、30代から新NISAを利用するメリットだ。
また、運用期間を長く設定できる分、少額の積立投資であっても大きな資産を目指せるという利点もある。
運用期間中に発生した利益を再投資することで、利益が新たな利益を生み出す「複利効果」の恩恵を受けられる。
複利効果は運用期間が長期化するほど効果が増大し、雪だるま式に資産が増えていくため、なるべく早く運用を始めることが重要だ。
そして、新NISAの最大の特徴である非課税の恩恵を長期にわたって受けられる点も大きなメリットである。
通常は株式・投資信託の利益に約20%が課税されるものの、新NISAでは一切税金がかからない。
非課税の恩恵を長期にわたって受け続け、効率良く資産を増やしていける点も30代から運用するメリットだ。
なるべく早く運用を始め、新NISAのメリットを最大限に活かそう。
30代は新NISAの「つみたて投資枠」から始めよう

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの非課税投資枠が存在するが、30代の方はつみたて投資枠からの利用をおすすめする。
つみたて投資枠の基本的な特徴やメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
つみたて投資枠の基本概要
つみたて投資枠とは、投資信託の積立で得られるリターンが非課税となる投資枠のことだ。2023年までの旧NISAにおける「つみたてNISA」を引き継ぐ形で運用されている制度である。
つみたて投資枠では、金融庁が定めた所定の条件を満たした上で届出が行われた銘柄のみ投資可能だ。
安定的な資産形成を実現するための制度であるため「長期・積立・分散」に適した銘柄にしか投資できない仕組みとなっている。
つみたて投資枠は年間の投資可能枠が120万円(月10万円)となっており、非課税保有限度額は1,800万円である。
非課税保有期間は無期限化されており、もう一方の「成長投資枠」との併用も可能だ。
旧制度のつみたてNISAでは年間の投資可能枠が40万円、非課税保有限度額は800万円であり、非課税保有期間は最長20年だった。
一般NISAとの併用も不可だったことを踏まえると、新NISAのつみたて投資枠はかなり使い勝手が良くなったと言えるだろう。
つみたて投資枠のメリット
つみたて投資枠のメリットは主に以下の2点だ。
- 厳選された銘柄に投資できる
- 運用に手間や時間がかからない
前述の通り、つみたて投資枠は一定の基準を満たした銘柄にしか投資できない。
ハイリスクな銘柄やコストが割高な商品は除外されており、厳選された銘柄から投資先を選べる。
投資経験が少ない初心者であっても投資しやすい優良銘柄だけを購入できる点がつみたて投資枠のメリットだ。
また、つみたて投資枠は一度積立設定さえしておけば、入金や買い付けが自動で行われる。
購入のタイミングを見極めたり、毎回手続きをしたりする必要がなく、手間や時間をかけずに運用できることが魅力だ。
30代から新NISAを利用したいのであれば、厳選された優良銘柄に手間をかけずに投資できる「つみたて投資枠」から活用してみよう。
【30代向け】新NISA銘柄選びのポイントとおすすめ銘柄

新NISAを始める際には自分に合った銘柄を選ぶことも大切だ。銘柄選びのポイントを押さえ、自身の投資目的やリスク許容度にマッチした銘柄を選定しよう。
ここでは、新NISAで銘柄を選ぶときのポイントやおすすめの商品を紹介していく。
新NISAで銘柄を選ぶときのポイント
新NISAで運用する銘柄を選ぶ際には、以下の2つのポイントをチェックしておくと良い。
- リスク・リターン
- 運用にかかる手数料
まず、銘柄のリスク・リターンをチェックしておこう。金融商品におけるリスクは価格変動の振れ幅の大きさのことである。
リスクが大きいほど価格の振れ幅も大きくなるため、期待リターンが大きくなる一方で、損失も大きくなる危険性がある。
資産運用を始める際には、自分のリスク許容度を踏まえた上で適切なリスク水準の銘柄を選ぶことが大切だ。
30代は運用期間を長く設定できる分、多少リスクが大きい銘柄を選んでも問題ない。
しかし性格的に「損失に耐えられない」という人は、無理なく運用できるリスク・リターンのバランスの銘柄を選定しよう。
また、運用にかかる手数料も銘柄選びの重要な要素だ。特に、投資信託は売買時の手数料のほかに「信託報酬」と呼ばれるランニングコストが発生する。
運用期間中は信託報酬が引かれ続けるため、なるべく信託報酬が安い銘柄を選ぶことが大切だ。ただし、信託報酬が安くてもほとんどリターンが出ない銘柄を選んでいては意味がない。
なかには信託報酬が高くても優れた運用パフォーマンスの銘柄も存在する。コストだけを比較するのではなく、運用パフォーマンスも踏まえた上で総合的に判断しよう。
おすすめの商品
30代で新NISAを始める方は以下の銘柄がおすすめだ。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- iFreeNEXT FANG+インデックス
上記の銘柄はいずれもつみたて投資枠の対象となっており、投資初心者でも比較的投資しやすい銘柄だ。それぞれの特徴を紹介するので、ぜひ参考にして自分に合った銘柄を見つけ出そう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントが提供しているインデックスファンドだ。米国の株価指数である「S&P500」との連動を目指して運用されている。
本ファンドの基本的な特徴は以下の表の通りだ。
投資対象 | 海外株式 |
---|---|
信託報酬 | 年率0.08140% |
純資産総額 | 63,251.30億円 |
騰落率 | 1年:+2.45%5年:+181.72% |
S&P500は米国の大企業を中心に構成される指数であり、米国経済を牽引する代表的な企業に分散投資できることが特徴だ。
リスクを抑えつつ、長期的な資産成長を期待できる魅力的なファンドである。
「米国企業の成長性に期待したい」という方は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)への投資がおすすめだ。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も三菱UFJアセットマネジメントが提供するインデックスファンドだ。日本を含む先進国および新興国の株式に分散して投資を行っている。
本ファンドの基本的な特徴は以下の表の通りだ。
投資対象 | 国内外株式 |
---|---|
信託報酬 | 年率0.05775% |
純資産総額 | 51,782.28億円 |
騰落率 | 1年:-0.47%5年:+146.88% |
投資対象が世界に分散されているため、比較的リスクを抑えた運用を行えることが魅力だ。また、信託報酬は年率0.05775%と極めて低い水準となっており、コストの負担も抑えやすい。
「低コスト・低リスクの商品を選びたい」という方は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への投資がおすすめだ。
iFreeNEXT FANG+インデックス
iFreeNEXT FANG+インデックスは、大和アセットマネジメントが提供しているインデックスファンドだ。
米国の株価指数「NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)」の動きに連動する投資成果を目指して運用される。
本ファンドの基本的な特徴は以下の表の通りだ。
投資対象 | 海外株式 |
---|---|
信託報酬 | 年率0.07755% |
純資産総額 | 4,985.65億円 |
騰落率 | 1年:+13.46%5年:+399.42% |
「NYSE FANG+指数」は人々の生活に大きな影響力を持つ次世代テクノロジーで構成されている。今後の成長性が見込まれる企業が多く、大きなリターンを期待できることが特徴だ。
「テクノロジー企業の成長性に期待している」という方は、iFreeNEXT FANG+インデックスへの投資をおすすめする。
【シミュレーション】30代が新NISAで毎月3万円積み立てたら?

次に、30代が新NISAで積立投資をする場合の運用シミュレーションを紹介する。事前にシミュレーションを徹底的に行い、新NISAをどのように活用していくべきか戦略を立てよう。
運用シミュレーション
ここでは、年利3%で40年間運用すると仮定し、毎月3万円・5万円・10万円を投資する場合のシミュレーションを紹介する。シミュレーションの結果は以下の表の通りだ。
毎月の積立額 | 積立総額 | 元利合計 |
---|---|---|
3万円 | 14,400,000円 | 27,583,559円 |
5万円 | 24,000,000円 | 45,972,598円 |
10万円 | 48,000,000円 | 91,945,196円 |
毎月3万円の積立であっても、40年間運用を続けると2,700万円以上の金額まで増やせる。もし10万円を積み立てた場合は9,000万円を超え、非常に大きなリターンを得られると分かる。
30代は運用期間を長く設定できる分、時間を味方に付けることで大きなリターンを得ることが可能だ。
年利3%は比較的リスクを抑えた運用でも実現できるリターン水準であるため、上記のシミュレーションは十分に可能性がある。
より大きなリスクを許容できるのであれば、さらに大きなリターンを得られるだろう。
少額から始める重要性
資産運用に対して「まとまった資金が必要なのではないか」というイメージを抱いている方も多いだろう。
しかし少額からでも十分にメリットを得られるため、まとまった資金を準備できていない方でも始めるべきだ。
少額から運用を始めるメリットとして以下の2点が挙げられる。
- 投資経験を積める
- 複利効果を活かせる
資産運用を始めると株価や為替の変動に慣れたり、情報収集のスキルが身に付いたりなど、投資経験を積める。
少額の運用であれば失敗したときの損失も少なく、ダメージを抑えられる。無理なく投資経験を積める点が少額から運用を始めるメリットのひとつだ。
また、投資で得た利益の再投資により利益が新たな利益を生み出す「複利効果」の恩恵を受けられるという利点もある。
複利効果は雪だるま式に資産が増加する仕組みであり、投資額が少額でも運用を続けていけば資産は増えていく。少額からでも早めに運用を始め、複利効果のメリットを活用しよう。
30代は余裕ができたら新NISAの「成長投資枠」も活用しよう

30代はつみたて投資枠から始めるべきと解説したが、運用に慣れて余裕ができたら成長投資枠も活用してみると良い。
成長投資枠の特徴や活用方法を解説するので、ぜひ参考にして運用の幅を広げよう。
成長投資枠の特徴・メリット
成長投資枠とは、投資信託や株式、ETF、REITで得られる利益が非課税となる投資枠のことだ。旧NISA制度の「一般NISA」を引き継ぐ形で運用されている。
一定の基準を満たした投資信託しか買えないつみたて投資枠とは違い、成長投資枠は投資信託以外に株式やETFでも運用可能だ。
年間240万円の投資枠が与えられ、非課税保有限度額は1,200万円である。つみたて投資枠と併用すると投資枠は年間360万円、非課税保有限度額は1,800万円になる。
また、投資方法は積立投資だけでなく、タイミングを狙ったスポット購入も可能だ。積立設定をして自動的に商品を買い付けたり、価格変動を見極めてスポットで購入したりと自由に売買できる。
安定的な資産形成のために制限が多いつみたて投資枠に対し、自由度が高い柔軟な運用を行えることが成長投資枠のメリットだ。
成長投資枠の活用方法
成長投資枠を賢く活用する方法は主に以下の3つだ。
- つみたて投資枠と同様の商品で積立投資
- つみたて投資枠にないアクティブファンドに投資
- つみたて投資枠では投資できない株式に投資
それぞれ解説していくので、自分に合った方法で成長投資枠を効果的に活用しよう。
つみたて投資枠と同様の商品で積立投資
まず、つみたて投資枠と同様の投資信託で運用するという戦略が挙げられる。2つの投資枠を併用し、同じ商品に積立投資をしていくと良いだろう。
前述の通り、つみたて投資枠の商品は安定的な資産形成に適した優良銘柄が厳選されている。
すでにつみたて投資枠で運用しているのであれば、無理に違う商品を選ぶ必要はない。成長投資枠も同じ優良銘柄に投資し、安定した資産形成を目指していくと良い。
つみたて投資枠だけの場合は年間120万円(月10万円)までの積立投資となるが、成長投資枠も使えば最大で年間360万円(月30万円)までの積立が可能だ。
一度積立設定をしておけば運用の手間もかからず、投資初心者でも簡単に運用できるだろう。
「違う銘柄を選ぶ手間をかけたくない」「安定した資産形成を目指したい」という方は、2つの枠を使って同じ商品に積立投資をしていこう。
つみたて投資枠にはないアクティブファンドに投資
つみたて投資枠にはないアクティブファンドで運用するという手もある。アクティブファンドとは、指数(日経平均株価やS&P500など)を上回るリターンを目指して運用される投資信託だ。
アクティブファンドは「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロが投資先を選定しており、積極的に資産の増加を目指している。
つみたて投資枠の商品に比べてリスクは高めだが、その分期待できるリターンも大きい。つみたて投資枠で安定的な資産形成を実現しつつ、成長投資枠はアクティブファンドで資産の増加を目指してみても良いだろう。
成長投資枠でおすすめのアクティブファンドは以下の通りだ。
銘柄 | 特徴 |
---|---|
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 | 高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される米国株に投資を行う |
netWIN GSテクノロジー株式ファンド | テクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業に投資を行う |
フィデリティ・世界割安成長株投信 | 割安な成長銘柄を発掘する方針で世界の上場株式に投資を行う |
いずれも実績のあるファンドであり、今後の資産成長にも期待が持てる。自身のリスク許容度や運用目標を踏まえ、ファンドの特徴を比較しながら自分に合った銘柄を選ぶことが大切だ。
「つみたて投資枠の商品だけだと物足りない」「積極的にリターンを狙いたい」という方は、成長投資枠ではアクティブファンドに投資すると良いだろう。
つみたて投資枠では投資できない株式に投資
つみたて投資枠では購入できない個別株式に投資するという手もある。
NISA制度は短期売買には向いていないが、長期にわたってリターンを狙える銘柄であれば保有を検討してみても良いだろう。
例えば、業績が安定している企業に投資をすることで中長期的にじっくりと株価が上昇していく可能性がある。
また、配当金を安定して支払っている企業であれば、非課税で配当金を受け取り続けられる。長期的なリターンが見込める個別銘柄を選び、資金を投じてみよう。
成長投資枠でおすすめの株式は以下の表の通りだ。
銘柄 | 特徴 |
---|---|
トヨタ自動車 | 日本最大手の自動車メーカーで世界トップクラスの売り上げを誇る |
三菱商事 | 国内外に事業を展開する三菱グループの総合商社 |
日本電信電話 | 日本最大の通信事業会社でNTTグループを統括する |
マイクロソフト | パソコン用のOS「Windows」などを開発・販売するソフトウェア企業 |
コカ・コーラ | 「コカ・コーラ」などの清涼飲料水の製造・販売を行う飲料水メーカー |
成長投資枠では外国株への投資も可能であるため、幅広い選択肢から銘柄を選べる。運用目的やリスク許容度を踏まえて自分に合った銘柄を選定しよう。
「配当金を受け取りたい」「個別株式への投資をしてみたい」という方は、成長投資枠で個別株式の取引を始めてみると良い。
30代が新NISAを始める前に知っておきたい注意点

30代から新NISAを始めるにあたって以下の4点に注意しておきたい。
- 損益通算・繰越控除ができない
- 余剰資金の範囲内で行う
- 過度なリスクテイクを避ける
- 長期目線で運用計画を立てる
それぞれ解説していくので、ぜひ参考にして新NISAを効果的に活用しよう。
損益通算・繰越控除ができない
まず、新NISAでは損益通算・繰越控除ができない点に注意しておこう。
損益通算とは同じ年に発生した利益と損失を相殺させる仕組み、繰越控除は損益通算した上で損失が残る場合に最大3年間にわたって損失を繰り越して控除する仕組みのことだ。
通常の取引であれば、A口座で10万円の利益、B口座で20万円の損失が発生した場合は「10万円−20万円=−10万円」という形で損益通算できる。
A口座・B口座を合わせて見ると損失が発生していることになるため、当然の利益は0円になる。さらに残った−10万円を翌年以降に繰り越して控除可能だ。
しかしNISA口座では損益通算や繰越控除ができない。もしNISA口座で損失が発生したとしても、ほかの口座で得た利益から差し引くことはできないため注意しておこう。
余剰資金の範囲内で行う
新NISAなどの資産運用は、余剰資金の範囲内で投資を行うことが鉄則だ。生活費・緊急用資金と投資に回す資金を分けて管理し、無理のない範囲で資産を運用しよう。
新NISAは価格変動リスクがある株式や投資信託に資金を投じるため、場合によっては元本割れとなる可能性もある。
直近で使う予定がある生活費や緊急用の資金などを投資に回すと、短期的な価格変動で元本割れしたときに生活に支障をきたしてしまう。
一般的には「生活費の3ヶ月分〜半年分」の金額を安全性の高い預貯金で確保し、残ったお金を投資に回すべきと言われている。
1ヶ月の生活費をもとに計算して緊急用の資金を確保し、残りの余剰資金で新NISAを活用しよう。
過度なリスクテイクを避ける
新NISAで順調に運用できていると「もっとリスクを取ってリターンを狙いたい」という欲が出てしまうことが多い。
しかし過度にリスクを取ると身を滅ぼす危険性が高まるため、適切なリスク水準を維持することが大切だ。
例えば時価総額が小さい個別株式の場合、業績が投資家の期待ほど伸びていないという理由で大幅に下落するリスクがある。
数日間で数十%の下落となる可能性もあり、一気に資産が減少してしまう。
30代は比較的リスクを取りやすい年代ではあるものの、大切な資産を一気に減らしてしまうような運用はできるだけ避けたい。
「長期・積立・分散」の考え方をベースにし、身の丈に合ったリスク水準で安全に運用していこう。
長期目線で運用計画を立てる
資産運用は長期目線で計画を立てることが大切だ。目先の利益を追求するのではなく、数年〜数十年といったスパンで運用の見通しを立て、じっくりと運用を続けよう。
目先の利益にとらわれてしまうと、相場が暴落したときに慌てて売却してしまうケースが多い。
しかし暴落後はもとの価格水準まで回復するケースが多いため、暴落にも耐えて運用を続けていれば数年後にはリターンを得られる可能性が高い。
短期的な目線で投資をしていると、大きなリターンを得るチャンスを逃してしまう可能性があるため注意が必要だ。
しかし、一方で一度立てた計画をそのまま放置しておいて良いわけでもない。定期的に運用状況を見直し、運用目標を達成できそうにないと判断した場合は違う商品への乗り換えも検討する必要がある。
長期的な目線で運用計画を立て、定期的に運用状況を見直しながらじっくりと資産を運用していこう。
30代は新NISAを始めるべき!迷ったらプロに相談しよう

ここまで30代の新NISAについて解説してきたが、まだ「新NISAを始めるか悩んでいる」「どのように運用すべきか分からない」などと悩んでいる方も多いだろう。
新NISAについてお悩みの方は、資産運用の専門家に相談すると良い。
ここでは、資産運用の専門家に相談するメリットや相談先を探せるサービス「資産運用ナビ」について解説していく。
資産運用の専門家に相談すべき理由
資産運用の専門家に相談すべき理由として主に以下の2点が挙げられる。
- 投資判断に必要な情報をスムーズに入手できる
- 最適化された投資戦略で運用を始められる
自分で投資を行う場合、投資対象地域の景気・政治についてニュースをチェックしたり、投資先企業の業績を定期的に確認したりしなければならない。
あらゆる情報に対して常にアンテナを張り、分析しながら投資判断を下していく必要がある。本業などで忙しい人にとっては大きな負担となるだろう。
資産運用の専門家は日々情報を収集・分析しており、必要に応じてあなたに投資情報を提供してくれる。
投資すべき銘柄の情報や売買のタイミングについても情報提供してくれるため、手間や時間をかけずに投資に必要な情報を入手できる。
また、資産運用の専門家はあなたの運用目標や資産状況、リスク許容度などのあらゆる要素を踏まえて投資戦略を構築する。
自分の状況に最適化された投資戦略で効率良く運用をスタートできる点も専門家に相談する大きなメリットだ。
「投資に手間や時間をかけたくない」「自分にぴったりの戦略で効率良く資産を運用したい」とお考えの方は、資産運用の専門家への相談を検討してみよう。
資産運用ナビを活用しよう
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転勤や異動などで担当者が変わる心配もなく、長期的なパートナーとして信頼関係を構築できるだろう。
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30代から新NISAを始めてみよう

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