70代も新NISAを始めた方がいいの?安心して運用するためのポイントを解説

この記事で解決できるお悩み
  • 70代からでも新NISAを始めた方がいいのか悩んでいる
  • 新NISAでどうやって運用すればいいのかわからない
  • 新NISAで運用する時の気をつけるべきポイントが知りたい

年金や預貯金だけでは将来が不安、という理由から運用を検討している70代は少なくない。

とはいえ、「70代から資産運用を始めるのは不安」「70代から新NISAを始めても意味がないのではないか」と悩んでいる方もいるだろう。

2024年から始まった新NISAでは、制度の自由度が大幅に拡充され、年代を問わず利用しやすい制度となった。

70代からでもポイントを押さえればリスクを抑えた運用が可能なので、ぜひこの機会に活用してみてほしい。

本記事では、70代が新NISAを始めた方が良い理由や、新NISAを活用するポイントについて紹介していく。

証券アナリスト 平行秀

70代でも、新NISAを活用して“生活資金+α”の運用を目指すことは十分に可能です。少額・低リスクの商品から始めれば、資産を守りながら増やすという運用が実現できます。年齢にとらわれず始めることが大切です。

目次

70代でも遅くない!新NISAを始めるべき理由

70代で新NISAを始めても遅いのではないかと感じる方がいるかもしれないが、新NISAを始めるのに遅すぎる年齢というものは存在しない。

今ある資産を賢く運用に回しながら取り崩していくことで、お金の寿命を延ばすことが可能となる。

「お金を稼ぐ」フェーズから「お金を使う」フェーズに移行している70代だからこそ、しっかりと自分のお金を守っていくためにも新NISAを活用してみてほしい。

証券アナリスト 平行秀

70代は資産の取り崩しと運用のバランスが重要な時期です。新NISAを上手に活用すれば、非課税で資産を育てながら計画的に使うことができ、安心感のある老後設計に役立ちます。

70代の新NISA利用状況

金融庁が実施した「NISA口座の利用状況調査」によると、2024年9月末時点での70代のNISA口座数は285万8589口座だ。

なお、各年代における保有口座数や年代別比率は下記の通りとなっている。

 口座数年代別比率
総数2508万6221口座100.0%
10歳代12万8936口座0.5%
20歳代287万8530口座11.5%
30歳代439万1484口座17.5%
40歳代482万6897口座19.2%
50歳代481万0864口座19.2%
60歳代369万1248口座14.7%
70歳代285万8589口座11.4%
80歳代以上149万9673口座6.0%
出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」

また、野村アセットマネジメント資産運用研究所の「投資信託に関する意識調査2024」によると、2024年からのNISA利用者割合は、年代別で以下の通りとなっている。

なお、ここではつみたて投資枠か成長投資枠のうちどちらか1つでも利用している人を「NISA利用者」としてカウントしている。

 NISA非利用者NISA利用者
総数87%13%
20代84%16%
30代81%19%
40代86%15%
50代89%12%
60代89%11%
70代以上90%10%
出典:野村アセットマネジメント資産運用研究所「投資信託に関する意識調査2024」

表からは、70代以上の約1割が新NISAを活用していることがわかる。

70代はNISA利用者の割合が最も少ないが、それでも全体と比較して大幅に利用者が少ないとは言えない。

現役世代に比べると利用者率は減少するものの、しっかりと自分のお金の置き場について考えている人は、新NISAを利用しているのだ。

70代から新NISAで運用を始めるべき理由

70代から新NISAを始めるべき理由は主に以下の3点だ。

老後資金の寿命を少しでも延ばすため

厚生労働省の試算によると、2019年時点では男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳となっている。

しかし、医療の進歩等によって2040年には男性の平均寿命は83.27歳、女性の平均寿命は89.63歳にまで延びると考えられている。

今後も平均寿命は延びていくことが予想される中で、「お金の寿命」という考え方も非常に重要となる。

「お金の寿命」とは、その名の通りお金が尽きてしまうまでの期間の長さのことで、高齢化社会ではいかにお金の寿命を延ばしていくかが大事だ。

70歳時点で2,000万円の金融資産を持っている人が、毎月貯蓄から10万円を取り崩していくケースを想定してみよう。

全く運用せずに取り崩しを続けた場合、お金の寿命は16年8ヶ月(86歳8ヶ月)だ。

一方、金融資産を年3%の利回りで運用しながら取り崩した場合、お金の寿命は22年11ヶ月(92歳11ヶ月)にまで延びる。

豊かな老後生活を送るためにも、堅実に運用を行って資産寿命を延ばすことを意識しよう。

証券アナリスト 平行秀

70代は収入が限られる一方で、支出リスクが高まる年代です。
新NISAを活用した運用は、資産を「守りながら増やす」手段として有効で、無理のない範囲で少額からでも始め、継続することが将来の安心につながります。

急な医療費や介護費などの備えのため

70代以降は、病気やケガ、介護の必要性といった健康面での不安が現実的になってくる年代だ。

例えば、がんや骨折などの大きな病気になれば、保険で賄えない医療費が発生することもある。

また、要介護状態になった場合には、在宅介護や施設入所のための費用が長期的にかかることも珍しくない。

このような突発的かつ高額な出費に備えるために、少しでも資産を増やしておくことは極めて重要だ。

銀行に預けていても金利がほとんどつかない現在の日本において、現金のまま保有しているだけでは、インフレによって実質的な資産価値が目減りしてしまう可能性がある。

新NISAを利用すれば、つみたて投資枠などを通じて低リスク・低コストの商品に分散投資することが可能であり、長期的に見て預貯金よりも高いリターンを得られる見込みがある。

特に、生活費や緊急資金として必要な分を手元に確保したうえで、余裕資金を新NISAで運用することで、いざというときの備えを強化できる。

孫や子どもへ資産を遺すため

70代になると、自分の老後だけでなく、子や孫といった次の世代の生活を見据えて「資産をどう残すか」を意識し始める人も多い。

新NISAを活用することで、将来的な資産の目減りを抑えながら、効率的に資産を運用し、次世代に引き継ぐための準備が可能である。

新NISAで得た運用益は非課税となるため、課税口座に比べて手取りの金額が多くなり、その分をそのまま相続や贈与に活用することができる。

生前贈与や相続対策の一環としても、新NISAでコツコツと資産形成をしておくことは、税制メリットと運用効率の両面で優れている。

特に、学費支援や結婚資金、住宅購入といったライフイベントを支援したいと考える祖父母世代にとって、新NISAは有効な手段となるだろう。

70代は新NISAの「つみたて投資枠」から始めよう

2024年から始まった新NISAでは、非課税保有期間が無期限となり、投資枠も大幅に拡充されたことで、投資初心者からベテランまで幅広い層が活用しやすい制度となった。

特に70代から投資を始めたいと考える人にとっては、「つみたて投資枠」から運用を始めることが、安全かつ効率的な第一歩となるだろう。

証券アナリスト 平行秀

70代の方にとって、つみたて投資枠は無理なくスタートできる安心感があります。少額からの分散投資なら、日々の生活に支障を与えることなく、資産をじっくりと育てていくことが可能です。

ここでは、つみたて投資枠の概要やメリットを解説していく。

つみたて投資枠の基本概要

つみたて投資枠とは、新NISAにおける2つの投資枠のうちの一つで、長期・分散・積立という資産形成の基本原則に基づいた制度だ。

毎年120万円まで、国が定めた基準を満たす一定の投資信託などに、定期的・継続的に投資できる仕組みとなっている。

つみたて投資枠の基本概要

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非課税保有期間無期限
投資方法積立投資のみ
年間投資枠120万円
非課税保有期間限度額成長投資枠と合わせて1,800万円まで
対象商品長期の積立・分散に適した一定の投資信託
対象年齢18歳以上

つみたて投資枠の特徴・メリット

70代にとって、つみたて投資枠の最大の魅力は「リスクを分散しながら資産運用ができる」という点にある。ここでは、具体的な特徴とメリットを紹介する。

1. 時間分散によるリスク軽減

つみたて投資枠は、毎月一定額を継続的に購入する仕組みであるため、価格が高いときには少なめに、安いときには多めに買うことになる。

この「ドルコスト平均法」により、購入価格を平準化できるため、一括投資に比べて相場の上下によって資産価値が一気に暴落してしまうリスクを下げられる

2. 低コストの商品が中心

対象となる投資信託は、信託報酬(運用管理費用)が低く抑えられているものに限定されており、長期運用におけるコスト負担を軽減できる。

投資信託の信託報酬は運用中ずっとかかってくるものなので、なるべく低く設定されているものを選ぶことで、運用効率を上げることにつながる。

3. 非課税メリットの最大化

つみたて投資枠で得られた運用益や分配金はすべて非課税となる。

例えば、年間で30万円の利益が出た場合、通常なら約20%の税金がかかるため、利益から約6万円が税金として引かれてしまう。

しかし、新NISAなら口座内での取引は非課税となるため、利益を全て手取りとして受け取れる。

4. 無期限で保有可能

2024年以降の新NISAでは、非課税期間が無期限となったことで、「いつ売却すべきか」と焦る必要がなくなった。

「最低〇年保有しなくてはいけない」といった縛りもないため、70代のライフスタイルに合わせて、必要なときに取り崩す柔軟な資産運用が可能だ。

5. 心理的な安心感

毎月の積立額を小さく設定すれば、相場の急変動による不安やストレスを感じにくく、投資を継続しやすい。

資産運用に不慣れな人や資産を取り崩しながら運用を続ける高齢世帯でも、計画的に続けやすい仕組みとなっている。

証券アナリスト 平行秀

相場の値動きに左右されにくく、精神的な負担が少ない点も大きな魅力です。積立額はいつでも調整できるため、体調や家計状況に応じて柔軟に運用できるのも、シニア世代にとって安心材料となります。

【シミュレーション】70代は新NISAで毎月いくら積立すればいい?

70代が新NISAでの資産運用を始める場合、毎月いくら程度の積立が適しているのだろうか。

ここでは、70代に適した運用金額の求め方や積立金額別の運用シミュレーションを紹介する。

70代に適した運用資金の求め方

70代で資産運用を始める際には、まず「いくらを投資に回しても問題ないのか」を明確にすることが重要である。

現役時代と異なり、収入が限られている中での投資は、生活資金とのバランスを慎重に見極める必要がある。

基本的な考え方としては、「使う予定のない余裕資金のみを投資に回す」ことが原則だ。

そのため、まずは今後の生活費や突発的な支出に備えた資金を確保したうえで、残った金額の範囲内で運用するのをおすすめする。

運用のポイント
  • 1〜2年分の生活費は現金で確保する
    • 年金収入や家賃収入があっても、医療費や介護費など急な支出に対応できるよう、最低でも1〜2年分の生活費は手元に置いておくことが望ましい。
  • 将来のライフイベントを見越しておく
    • 旅行、住み替え、孫の進学支援など、将来的にまとまった出費が予想される場合、その資金は投資に回さず、別途準備しておくことが大切だ。
  • 「もしもの費用」は厚めに見積もる
    • 高齢になるほど予測不能な支出が増える傾向にあるため、「万が一」の備えとして、生活費とは別に予備費を設けると安心できる。

以上を踏まえたうえで、生活に影響しない金額から新NISAを活用するのが現実的な方針となるだろう。

仮に100万円が余剰資金としてある場合も、一括で投資するのではなく、月1〜2万円ずつの積立から始めることで、相場変動リスクを抑えながら無理なく資産運用を継続できる。

70代の資産運用は「守りながら増やす」ことが目的であるため、無理のない資金計画を立てたうえで、自分に合ったペースでの投資が重要だ。

証券アナリスト 平行秀

70代の資産運用は「増やす」よりも「長く持たせる」視点が大切です。生活を圧迫しない範囲で積立金額を設定し、途中での見直しも柔軟に行うことで、安心して運用を継続できます。
自身の健康状態や支出状況も考慮しながら進めましょう。

積立金額別の運用シミュレーション

以下は、毎月3万円、5万円、10万円をそれぞれ積立投資した際の10年後の運用シミュレーションだ。

なお、年利は3%として計算する。

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毎月の積立金額投資元本運用収益10年後の資産額
3万円360万円59万円419万円
5万円600万円99万円699万円
10万円1,200万円197万円1,397万円

毎月積立金額が3万円であっても、3%の利回りで10年間積立投資を継続すると、360万円の投資元本に対して59万円の収益が見込める。

5万円、10万円と積立金額を増やすと、その分想定される運用収益も大きくなり、将来の運用資産額も増え安くなる。

もちろん、上記の計算結果はあくまでも試算であり、実際の運用状況によっては想定よりもパフォーマンスが良くない可能性もあるが、一つの目安として参考にしてみると良いだろう。

70代向け「つみたて投資枠」におすすめの銘柄と選び方

70代が新NISAでの運用を始める場合、まずはつみたて投資枠で投資信託の運用から始めてみるのがおすすめだ。

ここでは、70代におすすめの銘柄選び方法や、具体的なおすすめ銘柄を紹介する。

70代が新NISAで銘柄を選ぶときのポイント

70代が新NISAを活用する際は、リスクを抑えてなるべく安全に運用することが基本となる。

銘柄選びの際は、以下の点を意識するのが大事だ。

銘柄選びのポイント
  • 値動きの安定性を重視
    • 株式に偏らず、債券やバランス型ファンドなどを含む銘柄を選ぶことで、相場変動の影響を抑えられる。
  • 低コストのインデックスファンドを選ぶ
    • 信託報酬が安い商品は、長期運用でもコスト負担が少なく、効率的に資産を増やせる。
  • 分散投資ができる商品を選ぶ
    • 複数の資産に分散投資することで、一つの市場が不調でも全体のリスクを抑えられる。
  • 配当目的の個別株投資は注意する
    • 高配当でも業績が不安定な企業には注意が必要。無理せず信頼できるファンドに任せるのも一つの手である。
証券アナリスト 平行秀

70代の資産運用では、値動きの大きな銘柄よりも、コストが低く分散効果の高い商品が安心です。
投資初心者でも選びやすいファンドが多いため、無理なく資産を守りながら育てていけます。生活資金とのバランスも意識しましょう。

70代におすすめのインデックスファンド

具体的におすすめのインデックスファンドを紹介していく。

ここでは、楽天証券の「NISAランキング」から60代以上の月間買付件数ランキングで上位にランクインしている銘柄を紹介する。

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順位ファンド名純資産(億円)信託報酬
1位eMAXIS Slim米国株式(S&P500)64755.150.0814%
2位eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)54121.280.05775%
3位楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)1390.590.192%
4位楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド4744.070.077%
5位iFree NEXT FANG+インデックス4873.550.7755%
出典:楽天証券「NISAランキング(買付件数)月間・60代以上(2025/03/01~2025/03/31)」

上位にランクインしているのは、運用コストが低いことで人気のある「eMAXIS Slim」シリーズだ。

信託報酬を0.1%以下に抑えられるため、運用コストを抑えて効率よく資産を増やして行きやすい。

その他のファンドをチェックしても、総じて世界中の株式や米国の株式に投資するファンドの人気が高いと言えるだろう。

70代は新NISA「成長投資枠」の併用もおすすめ

70代の方は、成長投資枠を併用するのもおすすめだ。

ここでは、成長投資枠の基本的な特徴やメリット、効果的な活用方法などを解説する。

成長投資枠の特徴・メリット

まずは、成長投資枠の基本概要を確認しておこう。

成長投資枠の基本概要

非課税保有期間無期限
投資方法積立投資・スポット投資
年間投資枠240万円
非課税保有期間限度額1,200万円まで
対象商品上場株式・投資信託等
対象年齢18歳以上

成長投資枠では、年間240万円の範囲内で投資から得た利益が非課税になる。

つみたて投資枠と合わせて利用することで、1年間で投資可能な金額は360万円に増加する。

預貯金に預けてあるお金が多いという方や、つみたて投資枠だけでは積立金額が足りないと感じる方は、成長投資枠を併用することで無駄なくお金を投資に回せるだろう。

証券アナリスト 平行秀

成長投資枠はスポット投資が可能なため、まとまった資金がある70代の方に向いています。自分のペースで投資できる点が大きな魅力で、無理なく制度のメリットを活かせます。資金を一度に投じず、タイミングを見ながら活用するのも効果的です。

70代でそこまで積極的に投資に取り組んでいる人は少ないと感じる人がいるかもしれないが、実は成長投資枠の方が70代にとって使いやすい可能性もある。

野村アセットマネジメント資産運用研究所「投資信託に関する意識調査2024」によると、70代以上の年代におけるつみたて投資枠、成長投資枠の利用割合は下記のとおりだ。

つみたて投資枠利用者成長投資枠利用者
39%78%
出典:野村アセットマネジメント資産運用研究所「投資信託に関する意識調査2024」

20代〜60代の年代ではつみたて投資枠の利用者の方が多いものの、70代では成長投資枠の利用者の方が多いという結果となっている。

「毎月積み立てるのではなく、余剰資金があるタイミングで柔軟に投資したい」と考える70代にとっては、成長投資枠の方が使いやすいと言えるだろう。

また、成長投資枠では、以下のように様々な種類の金融商品を購入できる。

  • 投資信託
  • 国内株式
  • ETF
  • REIT
  • 米国株式

つみたて投資枠で購入できないアクティブファンドに投資をしたいという方や、配当・分配金狙いで個別株やREITに投資をしたい方にも適しているだろう。

成長投資枠の活用方法

成長投資枠を活用する際は、以下のどちらかの方法がおすすめだ。

  • つみたて投資枠と同様の商品で積立投資する
  • つみたて投資枠とは別の投信を選び、より分散効果を狙う

つみたて投資枠と同様の商品を購入する場合、単純に投資できる金額が大きくなるため、余剰資金がある程度ある方におすすめだ。

また、つみたて投資枠とは別の投資信託を選び、さらに分散投資効果を高めることも可能だ。

70代という年齢であれば、毎月分配型の投資信託を購入して、年金収入にプラスする形で分配金を受け取れるようにするのも良いだろう。

証券アナリスト 平行秀

毎月分配型ファンドを上手に活用すれば、生活費の補填や予備資金としても活用できます。ただし、高分配の裏にリスクもあるため、元本の減少に注意し、信頼性の高い商品を選びましょう。
資産全体のバランスも考慮が必要です。

以下は、楽天証券の毎月分配型投資信託の買付ランキングなので、ぜひ参考にしてみてほしい。

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順位ファンド名純資産(億円)信託報酬
1位インベスコ世界厳選株式オープン
<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
18243.461.903%
2位アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース
毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
30643.381.727%
3位フィディリティ・米国株式ファンドFコース
(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)
329.61.65%
4位フィディリティ・USリート・ファンドB
(為替ヘッジなし)
7379.611.54%
5位WCM世界成長株厳選ファンド
(予想分配金提示型)
146.71.958%
出典:楽天証券「タイプ別ランキング(毎月分配型)月間・60代以上(2025/03/01~2025/03/31)」

70代の新NISA活用術|安心して運用するためのコツと注意点

70代は、「お金を稼ぐ」という年代というよりも「お金を使う」年代と言える。

若いうちに働いて貯めた大事なお金を少しでも長く残すためには、運用しながら取り崩していくことが重要だ。

ここでは、70代が新NISAで運用するにあたって注意したいことや成功するためのコツを紹介していく。

70代はリスクを抑えた積立投資がおすすめ

70代で新NISAを活用する際、投資の「タイミング」をいつにするかも重要なポイントだ。

例えば一括で100万円を投資する場合、投資直後に市場が急落すれば、損失が一気に膨らむ可能性がある。

とはいえ、相場の中で底値を探るのは投資の専門家にも難しく、初心者にはさらにハードルが高いだろう。

急激な暴落による資産価値減少のリスクを軽減する方法として有効なのが、「時間分散投資」だ。

基本となるのは、毎月1回同じ金額を積み立てていく投資方法で、急な一括購入を避けて複数回に分けて投資を行う方法だ。

たとえば、毎月2万円ずつ投資する場合、価格が高いときには少量しか買えず、価格が安いときには多く買うことができる。

これにより、平均取得単価が平準化され、相場の上下に強い運用が可能となる。

また、「〇年以内に使う予定があるお金」は投資せず、安全資産で保管しておくことも重要だ。

旅行資金や自宅のリフォーム費用のように近い将来で使う見込みがある場合、相場の下落によって取り崩しに支障が出るリスクがあるため、現金のような安全資産にしておくのをおすすめする。 

証券アナリスト 平行秀

資産の一部は現金で確保しつつ、余裕資金を小分けにして運用することで、リスクを抑えながら資産寿命を延ばすことができます。急な出費に備えた余白を持つことが、70代の安定運用の基本です。

新NISAは損益通算・繰越控除ができない

新NISAには「運用益が非課税になる」という大きなメリットがある一方で、デメリットも存在する。特に注意すべきは、「損益通算や損失の繰越控除ができない」という点だ。

特定口座や一般口座のような一般的な課税口座であれば、ある商品で出た損失を他の商品や他の口座で出た利益と相殺することができる。

また、損失が大きくて1年では相殺しきれない場合でも、翌年以降3年間にわたって繰り越した上で、税金負担を軽減できる仕組みが設けられている。

しかし、新NISA口座内で出た損失にはこれらの制度が適用されない。

つまり、NISAで10万円の損失が出たとしても、それを課税口座の20万円の利益と相殺することはできず、税金は通常通り利益の20万円分にかかってしまう。

70代の方にとっては、資産の元本割れがそのままリスクとして跳ね返ってくる構造となってしまうため、過度なリスクを取ることは避けるべきだと言えるだろう。

資金を取り崩しつつ運用を継続する

70代の場合、将来的に資金を取り崩しながら生活費や医療費に充てていく必要があるケースも多い。

そうした場合でも、運用をすべてやめてしまうのではなく、少しずつ取り崩しながら運用を継続することを意識しよう。

例えば、毎月定額で投資信託を積み立てながら、必要に応じて一部を売却して資金を確保するという方法だ。

これによって、運用のリズムを崩さずに、資産の一部を生活費として使いながら、残りの資産で将来への備えを続けることができる。

新NISAは非課税期間が無期限であるため、「いつまでに売却しなければいけない」という期限が存在しない。

そのため、ライフスタイルの変化に応じて運用と取り崩しを調整したい70代にとって非常に使いやすい制度だと言えるだろう。

ただし、取り崩し方によっては将来的な資産枯渇につながる可能性もあるため、定期的に資産状況を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも検討しよう。

証券アナリスト 平行秀

取り崩しと運用のバランスは年齢や健康状態によって変わるため、定期的な見直しが重要です。一人で判断が難しいときは、信頼できる専門家に相談することで、安心して運用を続けられます。

70代も新NISAを始めるべき!悩みは専門家に相談しよう

ここまで70代の新NISA活用方法について解説してきたが、それでも「自分1人で新NISAを始めるのは不安」「自分にとって適切な運用金額がわからない」と悩んでいる方もいるだろう。

そのような方は、資産運用の専門家に相談してみるのをおすすめする。

新NISAでの悩みは資産運用の専門家に相談すると良い

新NISAについて疑問や不安なことがある場合は、資産運用の専門家に相談するのがおすすめだ。

資産運用の専門家には、FP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、証券会社などが挙げられる。

ファイナンシャルプランナーは、ライフプランニングや家計に関するアドバイスをメインに行い、資産運用の基礎を教えてくれる。

ただし、FP資格しか持たないファイナンシャルプランナーの場合、具体的な個別銘柄についての提案はできない点に注意が必要だ。

IFAは、特定の証券会社や金融機関等に属さずに、顧客に資産運用についてのアドバイスや金融商品の仲介を行う専門家だ。

一般的なレクチャーだけにとどまらず、ニーズにあった金融商品を提案・販売した上で、購入後のサポートまでしてくれるため、資産運用を1人で進めるのが不安な人にもおすすめだ。

証券会社の営業担当者は、主に自社で取り扱っている商品の提案や販売を中心として、幅広く資産運用のサポートをしてくれる。

ただし、人によっては顧客ニーズよりも自分のノルマを優先した提案を行うケースもある点に注意しよう。

新NISAでの運用を専門家に相談するメリット

新NISAについて専門家を頼ると、ライフプランに合わせた無理のない運用プランを立てやすくなる。

専門家は、相談者の年齢や収入、金融資産などを元に、的確な資産配分を提案してくれる。

生活資金を確保した上で、どのくらい運用に回せば良いかを明確にできるのは大きなメリットと言えるだろう。

また、専門家に相談することで自分に適した投資商品の選び方がわかるのも魅力的だ。

新NISAで購入できる金融商品は非常に多岐にわたるが、リスクやコスト、運用パフォーマンスなどを自分1人で比較するのは容易ではない。

専門家に相談することで、手軽に自分に適した商品を選びやすくなるだろう。

とはいえ、資産運用の専門家にも様々な選択肢が存在するため、どの相談先を選ぶべきか迷ってしまう方も多いだろう。

そのような方は、「資産運用ナビ」を活用してみてほしい。これは、年齢や金融資産、投資目的を入力するだけで、自分に適したアドバイザーが手軽に検索されるサービスだ。

アドバイザーの保有資格やプロフィールを比較した上で、自分で相談先を選べるため、どんな人に相談するかわからないと不安だという人にも利用しやすいだろう。

これから新NISAでの運用を検討している方は、この機会に「資産運用ナビ」を利用してみよう。

70代でも新NISAのつみたて投資枠で資産の寿命を延ばそう

70代であっても、新NISAを活用した資産運用は決して遅くない。

むしろ、資産寿命を延ばしつつ、医療費や介護費といった予期せぬ出費への備え、そして家族への資産承継など、老後の課題に向き合ううえで合理的な手段となるだろう。

特に、つみたて投資枠を活用すれば、値動きの安定した投資信託を毎月少額から積み立てることができ、リスクを抑えながら運用を続けられる。

資金に余裕があれば、成長投資枠の活用も視野に入れることで、運用の幅が広がるだろう。

70代の資産運用で重要なのは、「生活資金は確保したうえで、使う予定のない余裕資金で始める」ことだ。

新NISAの制度を正しく理解し、自分に合ったスタイルで無理なく取り組めば、70代からでも資産形成の安心感を得ることができるはずだ。

証券アナリスト 平行秀

70代でも、投資額や期間を自分の状況に合わせて調整すれば、新NISAは十分活用できます。
少額から始めることで心のゆとりも生まれ、安心して資産寿命を延ばす運用が実現できるでしょう。

自分に適した投資商品や投資スタイルがわからない場合は、資産運用の専門家に相談してみよう。

「資産運用ナビ」を利用すれば、自分に適したアドバイザーを簡単な手順で検索できるため、ぜひこの機会に利用してみてほしい。

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この記事を書いた人

NISAナビ」は、新旧NISA制度を”迷わず賢く活用する”ための実践的な情報を提供する金融メディアです。金融機関出身のメンバーを中心に、新NISAの具体的な活用方法や相談先の選び方を、中立的な立場から分かりやすく解説しています。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、NISAの相談に強い資産運用アドバイザーと投資家をマッチングし、自立した資産形成を支えています。

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